知識が一切ない趣味

 土曜勤務でした。はじめて土曜勤務を一人発ちした日でした。自分が計画し、その計画にそって皆様を誘導するという、ストレスフルな日でした。ていっても近場に行っただけやし、保育士さんが来てくれるから大丈夫なんやけど。
 まず図書館に行きました。誰も本なんか読みやしない。私は子どもの頃は本ばっか読んでたけどなぁ。友達が遊びにきても「ちっ。来たか。読んでたのに・・・」思う嫌な子どもでした。子どもがウルフルズのベストを借りてたのをみて、ほんまにうらやましくなってしまった。私も今日つたやに借りに行こうっと・・・。
 その後、ロイヤルホストに行きました。男の子がトイレに行くというのでついていってドアの前で待ってました。にこにこしながら「三日分出た」と報告してくださりました。さすが病院の子ども。自分の便が何日ぶりかという情報は朝飯前です。・・・いらぬ報告を聞いてしまった・・・。
 帰ってから、女の子が保育士さんにしかられました。私があいまいに「帰ってきて時間があればゲームしてもいい」と言ってしまったことが原因でした・・・。帰ってきて時間なくてもゲームしたくなってしまったのでした・・・。
 こういうとき、私は叱るべきなのか好きなことをさせてあげるべきなのか分からない。世間に出たあとに困るから、分かる子にはちゃんとルールを守らせて常識を教えて、勉強も教えていってあげなければいけないという考えが一方。もう一方は、普段我慢ばっかりしてるんやから、こんな日ぐらい好きなことをさせてあげたいという気持ちが一方。だいたい、2時過ぎに帰ってきて時間がないからゲームはできんなんて、普通の家庭じゃないもんね。2時に帰ってきたら、ゲームする時間むっちゃあるやん?普通。
 だから、私はどうすればいいのかわからんけど、多分どっちに傾きすぎてもあかんのやろうね。でもじゃあどうすればいいんだろうか。
 3時ごろからは、完全に一人で好きな仕事をやってていいとのことだったので、こもってたまってた仕事をしました。誰もおらん空間で2時間でも仕事すれば、たまってた仕事も片付くってもんですな。まあ、もともとあんまりたまってないだけかもしれんけどね。
すっきりして仕事を終えました。


 はいはいはい。ここから後は、鬼のように長くなってしまうかもしれないし、完全に自分のための記録でしかないので、読まないでくださって結構!スルースルースルー。
 仕事が終わった後、ライブバーみたいなところにいった。ピアノの先生のだんな様は、サックス奏者で、その人が月に1回ぐらいだけ組んでるバンドの公演があったのでした。以前聞きに行ったとき、私はほんまに格好よすぎて格好よすぎてはまりこんでしまったのでした。それまで、東京スカパラオーケストラぐらいしか聴いてなかったんやけど・・・。
 ピアノの先生に予約をとっていただき、一緒にライブを聞きました。なんか、一番良い席で、まるで私のために演奏してくれてるかのように感じるような席でした。ピアノの先生と飲むというのも初めてでした。安いからという理由だけで選んだピアノ教室だったけど、そのおかげでいろんなところに音楽を聞きに行くようになれたし、人の出会いというのはほんまに不思議だねぇ。先生は、音楽療法っぽいボランティアとかもしてるので、そういう話をしたりしました。


 バンドは、サックスが真ん中、その左右にドラムとピアノ、うしろにベースという4人構成でした。私は、自分がやっているピアノと、実はバンドの主役はドラムだと思っているのでドラムに釘付けでした。一人ずつについて熱く語ってしまおうっと。
 サックスは、やっぱり格好よかった。吹いて出す楽器というのは、演奏といいながら、半分歌ってるようなもんですね。彼は歌っていました。しかも指の動きも早くて、ぼーっと見つめてしまうんだこれが。切ない音が出る楽器です。だんな様はサックス奏者、奥様はフルート奏者(ピアノも教えられるけど、専門はフルート)、それで一般レベルかそれ以上の収入を得られて暮らしているなんて、格好いいねえ。メディアに出るような有名さではないけど、それなりに稼げて、自分の好きな音楽を追求できる生活というのはすばらしいと思うんだけど・・・。東京スカパラは、やっぱり聞いてる人に親切なんですね。どこがサビか、どこが聞かせどころかが、素人にも分かるもんね。でもこの人たちのバンドは、難解で難解で、サビがどこかも、どこが一番の盛り上がりかも、私にはよく分からないのであった。聞いてる人にこびない音楽とでもいうのでしょうか。混沌とした世界に連れて行かれる音楽なのでした。しかも一曲が長いんだこれが!2時間弱で、6曲ぐらいしか演奏できません。そして休憩をはさんだあと、一時間半再び演奏。このときにも4曲か5曲ぐらいしか演奏してなかったはず。てことは・・・?一曲何分やねん・・・。ほんまに混沌としすぎてて、聞いてるほうはリズムも取りにくく、メインも分からないことがあり・・・いう感じでした。でも凝視せずにはいられない。これを自分たちで作曲してるんやから、すごいよねえ。作ってる自分たちでも、着地点が分からず非常に難解だそうな。そりゃ素人の私にはほんまに難解だわさ。


 ピアノは、ほんまにすごかった!!なんで自分の思うような音を思うようにだせるんやろう。一度やめてから再度はじめた私は、ほんまに思った大きさの音を出すことさえできずに苦々しい思いを味わっているので、余計にすごいと思うのでした。おかしいぐらい指が早くうごいておりました。格好よかった!!ピアノだけの演奏でも私はこの人の演奏を3時間でも4時間でも飽きずに聞いてられるやろうな。技術がすごくて凝視せずにはいられないのでした。足のペダルも、すごかった!足も、手指の一つみたいに、完全にあやつっていました。自分が出したい音に合わせて自在に足ペダルを操っていて、まるで雲の上を歩いているかのような足さばきでした。足ペダルを見て「きもちよさそうやなあ」思ったのは初めて。あと、見たこともない演奏の仕方をしていました。グランドピアノなので、弦の部分を触ることができるのですが、その弦を直接指でなでて音をだしたり、弦をタオルで抑えてぼんやりした音を出したり・・・。
 私もピアノ習い続けたかったなぁ。一人暮らしで寮に入ったから実質的に無理やったんかもしれんけど・・・。私の中では、私のピアノ人生で一番最高潮は小5でした。その後は、部活が忙しくなったりで、重荷っぽくなってもたし・・・。小5のときには、コンクール出て、変奏曲を演奏しました。題名は忘れたけどメロディはまだ覚えております。夢中になって弾いてたし、自分で変奏曲の各パートに物語を考えて、その物語を想像しながら弾いてました。コンクールは、4〜50人ぐらい参加してて、その人たちと審査員がずらっと並んだところで、全員が同じ変奏曲を弾くという、なんともストレスフルなものでした。私はくじにより1番に弾くことになり、弾いたことを覚えております。あのままあの情熱をもって練習し続けてたら、どうなってたんやろう・・・。


 ベースの人は、ほんまに性格がよさそう!!!な人でした。私のタイプですな。一番後ろで、みんなを支える役でした。しかもこれがまたすごい速さでベースだったりするんだな。ベースって、気持ちいいんやろうなあ。前で混沌とした速い音楽が繰り広げられてる後ろでそれの基礎をぼんぼん演奏するんやもんね。ベースもやってみたいなあ。こういうジャズバンドでは、それぞれの楽器の見せ場がちゃんと一曲一曲に用意されております。その見せ場では、すごい演奏が見られ、見せ場が終わると拍手喝さいということになるのですが、ベースは、分かりづらいのか、拍手が得られないこともたまにありました。私は思わず拍手しようと手を構えたのですが。。。一人で拍手する度胸はなかったのだった・・・。そしてこのバンドは、ほんまに技術がすごくて見とれてしまうので、見せ場が終わってもぼーっとしてしまい、拍手をし忘れてしまうということも多々ありました。

 そしてドラム。ドラムなんて横文字使ったら軽くなってしまうから使いたくない。太鼓と呼ばせていただきます。あれは太鼓でした。数えただけで、太鼓4つにシンバル4つ。ばちは3種類。しかもたたく場所、たたき方、ばちのもち方とかで、無限に音の種類は広がるのでした。この太鼓の人が、ほんまにほんまにほんまに格好いい!!!!!!ほうっておいたら、太鼓だけをずっと見つめ続けてしまいそうなので、意識して他の人たちに目を移さねばならないほどでした。太鼓の人は、冷静にみたら、おそらくそんなに格好いい顔ではないはず・・・なのに、雰囲気が格好よすぎてしまう人でした。雰囲気美人の男版ですな。女のファンがついていました。ライブ終了後、追いかけてきているらしき女グループいくつかとしゃべっていました。
 太鼓っていうのは、やっぱり一番太古の楽器なので一番人の根本の部分に触れるのでは、と思いました。その人自身、完全にトランス状態。気持ちよさそうに、目にも留まらぬ早業で、投げる手裏剣ストライクでした。ござ〜るござるよはっとりくんは〜!でした。両手、両足を使うため、ほとんど踊ってるんじゃないか、このお人は・・・いう状態で、一曲終わると汗びっしょりでした。最後の曲は、この太鼓の人が作った曲でした。この曲の太鼓の見せ場がすごかった!すごい速さ!すごい勢いで、シンバルとかばちとか壊れてこっちに飛んできてしまうんじゃないかと怖くなるほどでした。事実、みんなたぶん怖くてのけぞって聞いてました。怖くて怖くてほんまに格好よかったです。
 ドラムの人は、口がうまいので、MCもやってました。このMCがまたうまいんだ。このMCを聞いて、この人のファンにならん人なんておらんのじゃないやろうか・・・いう感じです。このお人のことを女殺しと呼ばせていただきたい。私もはまりこまないように、カウンターのふちに必死につかまってこの人の魔力にやられないように耐えました。
 ライブ終了後、太鼓の人は、口がうまいので、いろいろなグループを回っており、私は、サックスの知り合いの知り合いであるためか、なんとかしゃべりかけようと近寄ってきてくれている気配ががんがん感じられました。私はほんまに演奏には感動したし、その人のことも大好きやったけど、結局「お疲れ様でした」と礼することしかできませんでした・・・。帰ってから、「礼しかできんかったわ・・・」言ったら、「そんなもんだ」と珍しく彼氏がなぐさめてくれました。彼は、ほんまはライブに来る予定だったのですが、予約がいっぱいだったため、入れなかったのでした。一週間前に私が誘ったときに、素直に従っておけばこのすばらしいライブを聴けたのに・・・。ばかめ・・・。でも東京スカパラ好きの彼を、ほんまはこのライブにつれてきてあげたかったので残念でした。


 というわけで、7時に店にいって11時までジャズ三昧というすばらしい時間を過ごせました。楽しかったです。帰りの電車の中では、東京スカパラを聞きました。リズムが一気にとりやすくなり、かつテンションも高かったため、気づいたらがんがん体を振っており、変人決定でした。